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テクノロジーはエンタメを救う鍵となるか? 新型コロナ危機で注目集まる「有料配信ライブ」の可能性 - Real Sound -

作成者: Zaiko|Apr 15, 2020 3:00:00 PM
 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、エンタメの ”空白期間”が進行しつつある状況だ。国内では政府のイベント開催自粛により、音楽、演劇、コミケなど各種エンタメイベントの中止や延期の発表、またはその可能性を示唆することが相次ぎ、海外でも今春開催が予定されていたSXSW、Ultra Music Festival Miami、Coachellaといった大規模イベントの中止や延期の発表はここ日本でも注目を集めた。また現在、ヨーロッパでは都市や国境の閉鎖による感染拡大防止のための施策により、大規模イベントだけでなく、クラブやライブハウス規模のイベントも中止を余儀なくされている。

 そんな中、今、求められるサービスとして注目されているのが、多言語ホワイトレーベル電子チケット販売プラットフォームのZAIKOが今月発表した新システム「ライブ配信 電子チケット」だ。

 このシステムでは、アーティストやイベント主催者がライブ配信自体を”イベント”として行い、通常のリアルイベント同様に有料チケット、つまりライブ配信専用の電子チケットを販売することで収益化を実現。彼らが被る新型コロナウイルスによる損害を抑えることができるのが特長になっている。またイベントに参加する側に対しても、オンライン/オフラインのどちらで参加するかの選択肢が与えられるという意味でメリットが大きいことも特筆すべき点だろう。

 現状、新型コロナウイルス感染拡大以降、行われている配信ライブは無観客ライブが多いが、今後も様々な理由でライブの現場に参加することを自粛するファンも少なからずいることだろう。そういった人が不安なく、イベントにオンラインで参加し、好きなアーティストやヴェニューを支援できるのは、この状況での有料ライブ配信に大きな価値をもたらすはずだ。

 実際にこのシステムを利用し、人気バンドのceroが3月13日に電子チケット制ライブ「Contemporary http Cruise」を開催。ZAIKOのシステムを通じて、ファンは有料配信ライブのチケットを購入することで、無観客で行われたライブをオンラインで楽しんだ。またその際は、1000円で販売された電子チケットに加え、500円単位での投げ銭によるアーティスト支援も実施。その際はチケット購入時にファンが追加でライブに課金できる仕組みになっていた。

 日々、状況が変わる新型コロナウイルスの影響下では、いつ事態が収束するかは予想しにくい。そのような中でもエンタメ関係者は自分たちの生活を維持していく必要があり、なんらかの形で収益を上げなければならない。そういった意味で無料の配信ライブは音楽ファンにとってありがたい反面、提供する側にとっては経済面でのリスクを孕んでいる。そのような状況を打破するという意味で「ライブ配信 電子チケット」は今、エンタメ業界に求められているサービスと言えるだろう。

なお、ZAIKOでは現在、Vimeoでのライブ配信サービスを提供しているが、今後はその他の動画配信サービスとの連携も視野に入れているようで、(実際に同社に問い合わせてみたところ、ceroの「Contemporary http Cruise」ではVimeoが活用されたとのこと)活用できる配信プラットフォームが増えていくことを含めて今後のサービスの発展にも期待したい。