「奇人」と呼ばれるエピソード、先輩芸人ザ・マミィとの交流、コンビ結成の裏話も!
独自のネタセンスと軽妙なキャラクターで着実にファンを増やし続けるスパイシーガーリックの素顔と魅力に迫ります。
●パントマイムをとり入れたネタ「ゾンビ」がヒット
ZAIKO:結成5年目となるスパイシーガーリックですが、3年前にはすでに『あらびき団』や『NHK新人お笑い大賞』で優勝をつかんでいます。コンビ結成から現在まで順調でしたか?
片山:いえ、コンビを組んで最初の1年間は何も結果を残せませんでした。キングオブコントも1回戦敗退。僕もジョンも、以前に別の相方と組んでいた時はもっとマシな成績を残せていたのに、スパイシーガーリックになったとたん1回戦で落ちてしまったので、とても焦りました。コントしかやっていないのに、急いでM-1にエントリーして漫才やって、それも1回戦で負けました。
ジョン:そうそう。
片山:このままではマズいと思い、新ネタをどんどん作ってライブで発表して。それで2年目になんとか『あらびき団』で反応をもらえた感じです。
ZAIKO:深夜番組の『あらびき団』と、正統派の『NHK新人お笑い大賞』では対照的なイメージがありますが、それぞれの番組でネタを使い分けたのですか?
片山:それが、同じネタなんですよ。
ジョン:エスカレーターのパントマイムを使った「ゾンビ」というネタです。
片山:「ゾンビ」はどちらの会場でも評判がよくて、なんだか……とんでもない発明をしてしまったのかもしれない。
ZAIKO:ネタ作りを担当しているのは片山さんですよね。スパイシーガーリックのネタの特徴は?
片山:ネタ作りで大事にしていることは3つ。1つ目は、僕にとってジョンの顔芸がドツボなんですよ。だから、コイツの顔芸が生きるネタ。
ジョン:世の中で1人にしかハマってない可能性もある。
片山:お客さんは笑っていないのに、僕だけがジョンの顔に笑ってしまう時もあるね。面白い顔なんですよね~。で、2つ目は動きが大きいネタ。3つ目は、ボケとツッコミがはっきりと分かれていないネタ。そういうものが多いです。
●“調べる”片山と“好かれる”ジョンの仲良しコンビ
ZAIKO:お二人それぞれのお人柄について教えてほしいです。
片山:ジョンは……何もないんですよ。
ジョン:おかしいよ、それ。
片山:ジョンは学歴も、趣味も、得意なスポーツもなくて、コレっていうものが何もないんです。でも、人から好かれる能力だけは抜群です。そういう人間です。正直に言ってほしいんですけど、こうやって話していて「いい人そう」なのはジョンのほうですよね?
ZAIKO:……確かにそうですね。
片山:番組の打合せでも、スタッフさんはジョンを見て話すんですよ。スパイシーガーリックって、ネタを作るのも主導権を握っているのも僕なのに、みんな僕と目を合わせず、ジョンにばかり話しかけるんです。それはコイツの才能だと思います。
ジョン:それって僕が好かれるというか……片山さんが、人から好かれなさすぎる。
片山:そんなことないよ!
ジョン:片山さんってめちゃくちゃいい人なんですよ。ただ、第一印象という点で本当にかわいそうな人。
片山:おい。
ジョン:だから、僕が仲良くしてあげないと一人になっちゃうだろうなと思ってました、出会った時から。
片山:そうなの? 初めて聞いたんだけど。
ジョン:片山さんは大丈夫な人なんだよって、僕を通して世に伝えたいです。僕が突出して好かれているんじゃなくて、彼の好感度が低すぎるんです。
ZAIKO:ジョンさんから見て、片山さんはどんな方ですか?
ジョン:片山さんはめっちゃ調べる人です。電車のどの車両が出口に一番近いとか。
片山:いや、そうだけど。それなら「コントを作る時に矛盾点が生まれないように、知らないことをしっかり調べる人」って言ってほしい。じゃないと、ただのせっかちな奴だろ。
ジョン:僕、コントはできあがったものしか見ないから。
片山:けっこう言うよ? 「このスポーツはこういうルールらしいから、コントのここを変えよう」とか、ちゃんと調べた感を出しているよ。
ジョン:あ、そういうのは全く聞いてないです。
片山:伝わらないものですねえ。
ジョン:電車の乗り換えで「この車両はダメ」「4号車のこのドアが出口に一番近い」とかがすごい人です、片山さんは。スムーズです。
片山:乗り換えが早いのがかっこいいと思っているんだね。
ZAIKO:では、スパイシーガーリックを一言で表すとどのようなコンビでしょうか?
片山:仲良しです。
ジョン:そうですね!
片山:養成所(スクールJCA)で同期として知り合ってから10年近く経ちますが、今でもふたりで食事に行きます。
ZAIKO:食事しながらネタや仕事の話を?
片山:仕事の話もしますけど、恋愛の話もします。
ジョン:恥ずかしいな(笑) 僕が「気になる女性に一度誘いを断られたんだけど、次はいつ誘ったらいい?」とか相談すると、片山さんは恋愛マスターみたいに「お前、何にもわかってないね」ってアドバイスをくれるんですよ。
片山:ジョンは視野が狭いので、「臆病になるな。どんどん攻めて、ダメだったら次へ行け」と伝えています。
ZAIKO:片山さんは恋愛経験が豊富なんですね。
片山:そうです(キッパリ)
ジョン:そんなことないと思うけど……。
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●事務所の先輩コンビ、ザ・マミィからサプライズコメント
ZAIKO:交流が深い芸人さんはいますか?
片山:同じ事務所(プロダクション人力舎)で1年先輩のザ・マミィさんと仲良くさせてもらっています。ライブや営業でよく一緒になりますし、プライベートではジョンが酒井軍団のメンバーです。
ジョン:芸能界きっての最大勢力、酒井軍団です。
片山:団長はザ・マミィの酒井貴士さんだよね。他のメンバーは?
ジョン:まず僕、「スパイシーガーリック」のジョン。それから、「あそび」の清水パソコン、「まちょねーず」の坂本フジオ、「おしどり大名」のてんこ盛り男。
片山:全員、誰だよ。
ジョン:毎年一緒に旅行に行きますし、僕にとってもっとも密な先輩が酒井さんですね。酒井さんは一昨年ご結婚されたんですけど、新婚の酒井さんの自宅に週5日泊まったりするので、僕は奥さまからとても嫌われています。
片山:僕はザ・マミィの林田(洋平)さんのキャッチボールフレンドです。
ZAIKO:キャッチボールフレンドとは?
片山:朝9時に公園に集まって、林田さんとキャッチボールをするという。林田さんは、野球は未経験なんですけど、生まれつき肩が強いんですよ。それで32歳の今から球速を上げたいらしくて、野球経験のある僕と朝からキャッチボールをしています。
ZAIKO:実は今日、ザ・マミィのお二人から特別にコメントをいただいています。
片山・ジョン:ええっ? 本当に!?
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《ザ・マミィからコメント》
片山は寿司が好きすぎて借金をするほどの奇人なので好感を持っています! 頑張ってほしいです! ジョンは犬みたいな名前だなと。
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片山:……おいおいおいおい。
ジョン:めっちゃ適当じゃないですか。
片山:ちょっと期待したけどな。林田さんって僕と話す時はけっこうボケる人なのよ。本音で話をするタイプじゃないから、こういう時は熱い感じを出してくれるかと思ったのに、なんだよ~。
ZAIKO:片山さんは、お寿司が好きすぎて借金を?
片山:その話はいいじゃないですか。
ジョン:本当です。
片山:……かなり前のことなんですよ。
ジョン:片山さんはお寿司が好きなんですけど、お金がないからパチンコを打ってしまうんですよ。ある日、パチンコ屋の上階にスシローができて、同じビル内にATMもあったので、片山さんはそのビルから出られなくなりました。朝、ATMでお金をおろしてパチンコを打ってスシローで朝食を食べ、またパチンコを打って昼食も寿司、パチンコ打って夕食も寿司。永久機関が完成したんです。そしたらお金がどんどんなくなって……
片山:10か月しないうちに200万円の借金ができました。
ジョン:奇人です。おかしいんです。
片山:でも、さすがにヤバいと思って、法律相談所で手続きして。これはジョンとコンビを組む前の話ですし、その借金ももう返しました! 今は真面目にコントを書いているだけの人間なんです!
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●コンビ結成の瞬間、キングオブコント王者の予感が!?
ZAIKO:お二人が芸人をめざした理由と、コンビを結成するまでの経緯を教えてください。
ジョン:もともと人を笑わせるのが好きでした。僕、本名は村木というんですけど、高2の時に面白すぎて「レジェンド村木」という称号が与えられたんです。これはもう、僕が芸人にならなければ世の中にとって損失。消えた天才。こんな宝を腐らせてしまうのはもったいないと思って、芸人になろうと決めました。
片山:僕も小さい頃から学校でふざけているタイプ。志村けんさんのバカ殿様が大好きで、いつしか「面白い男が一番かっこいい」と思うようになりました。でも、大学4年の就職活動の時期に家族に「芸人になりたい」と言ったら、母親に反対されてしまったんです。
ZAIKO:安定した職についてほしいと?
片山:大学の学費を親戚に援助してもらっていたので、「大学を卒業してすぐ芸人になったら申し訳ない」ということでした。でも「3年働いても諦めきれないならやればいい」とも言ってくれたので、3年後に辞める前提で離職率の高い不動産営業になりました。
ZAIKO:営業成績がとてもよかったそうですね。
片山:はい(キリッ) 入社1年目で、全国300人いる営業マンの中で契約件数が第3位でした。
ジョン:1位ではないんだね。
片山:腕のいい営業マンがいっぱいいる中での3位だから。それでタイのバンコク支店に海外転勤して、そこでも過去最高の店舗売上を達成。そこまでやったら親も納得してくれて、晴れて芸人をめざすことになったんです。
ZAIKO:その後、お二人ともスクールJCAに入学したと。そこで知り合ってすぐにコンビを結成したのですか?
片山:いえ、違います。1クラス50人くらいだったかな、JCAって暗い奴しかいないんですけど……
ジョン:これはマジです。お笑い芸人をめざしてるのか疑いたくなるほど地味な人間の集まりです。
片山:その中で、ジョンがパッと目に入って。今はおしゃれパーマですが、当時は茶髪のアフロヘアでした。
ジョン:「やっぱりインパクトだろう」って思ってました。
片山:初日に「あいつ、面白い顔してんな」と思ったんですよ。でも、コンビなんて組んだ経験がないので、すぐに声はかけられませんでした。ところがジョンはその日のうちに他の人に誘われてトリオを組んだんです。
ジョン:「あまからひやし」というトリオで、4年間活動しました。
片山:一方、僕はいくつかのコンビを経て「ねじまきシアター」というコンビでデビューしたものの、1年ほどで解散して、次の「ピッポ」もうまくいっていませんでした。
ジョン:2020年に「あまからひやし」が解散することになったんですが、そのタイミングでコロナ禍に突入。それもあって僕はもう芸人を辞めようかなって思ったんですよ。そんな時、片山さんを含めた養成所の同期4人でZoom飲みをすることになって。
片山:ジョンから「芸人を辞めようと思う」と聞いて、僕はブチギレたんです。
ジョン:ブチギレられました(笑)
片山:芸人を辞めて会社員になれば簡単に稼げるみたいにジョンが言うので、社会人をなめんなよ、って感じで。でも内心は「コイツが辞めちゃったらヤバいな」と。なんとか引き留めなくちゃと思って、威圧的に……
ジョン:僕の心にはあまり響かなかったんですけど(笑)、「そうか」とは思いました。じゃあ、コロナ禍が明けたら1年間は人力舎の先輩たちとたくさん遊んで、思い出を作ってから辞めよう、と。そしたら片山さんが当時のコンビを解散したんですよ。
片山:コイツと組みたくて解散しました。もう後にはないチャンスだと思った。それで2020年10月7日にスパイシーガーリックを結成しました。
ジョン:その日、僕は新宿にあるルミネtheよしもとで清掃バイトをしてたんです。夜勤の休憩中に突然、片山さんから電話が来て、「組もう」って。
片山:そうね。
ジョン:今でも覚えているんですけど、電話で言われてOKした時、目の前にちょうどキングオブコントの王者たちのポスターが貼ってあって、「これは……獲れるかもしれねぇな」と、予感めいたものを感じました。
●単独ライブは「動きすぎて画面から飛び出しちゃうぞ!」
ZAIKO:7月21日に開催される第2回単独ライブについて教えてください。今回のタイトル「生動(せいどう)」とは?
片山:「生動」は「いきいきと動く」という意味です。前回の単独ライブは自分たちが面白そうだと思ったことを詰め込んだだけで統一感がなかったのですが、今回はスパイシーガーリックが得意とする動きネタに絞って構成します。舞台いっぱい使って激しく動き回る新ネタ7本を披露します。
ジョン:何にも考えずに笑える、わかりやすいライブです。
片山:動きすぎて画面から飛び出しちゃうぞ!
ジョン:カメラが追えるかわからない!
片山:お笑いライブが初めての人でも、子どもでもお年寄りでも誰でも楽しめるので、気軽に来てほしいですね。まだまだチケットは売れ残ってます!
ジョン:配信チケットはZAIKOで買えます!電車の中とか、音を出せない場所で配信を見る方は、音声ナシでも笑えますよ。
『7/21(月・祝)スパイシーガーリック第2回単独公演「生動」』の配信視聴チケット購入はこちらから!
ZAIKO:今から「ライブを見たい」という方も間に合いますね。最後に、単独ライブに向けて意気込みをお願いします。
片山:公演が終わった時に、酸欠でぶっ倒れるぞ!
ジョン:……僕たちが?
片山:そう。動きすぎに備えて酸素スプレーを用意します。そのくらい動き回ろうと思っています。限界まで動いてお客さんを笑わせて、お客さんも僕らも酸欠で倒れることが目標です。
ジョン:人生で一番汗をかくのはこの日だ! 僕の汗を海のようにして海の日にしちゃう! 汗の日で~~~す!(カメラににじり寄る)
片山:あのさ、これ文章で載るから。
ジョン:はい。
片山:この単独ライブで勢いをつけて、キングオブコントで優勝して、二人で海外ロケにいっぱい行きたいです!
ジョン:あぶないジャングルにサバイバルロケに行きた~~い!!
『7/21(月・祝)スパイシーガーリック第2回単独公演「生動」』の
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片山智勝(写真左)とジョン(写真右)によるコンビ。スクールJCA25期生。2020年10月に結成。2022年に『あらびき団2夜連続! 真夏の最強パフォーマー決定戦』(TBS系)優勝、『キングオブコント2022』準決勝進出、『令和4年度NHK新人お笑い大賞』優勝。2023年1月、村木がジョンに改名。2024年『ぐるナイ年越しおもしろ荘!今年も誰か売れて頂戴SP』(日テレ系)や2025年『水曜日のダウンタウン「次世代リアクション王発掘トーナメント」』(TBS系)にも出演し、注目を集める。
「ZAIKO」は電子チケットを通じてアーティストとファンが直接繋がることができるプラットフォームをコンセプトにアーティスト・イベント主催者ファーストのサービスを展開して参りました。2020年3月よりライブ配信付き電子チケットサービスをどこよりも早く導入し、会場イベントも含めると、これまで4万件を超えるイベントの開催に貢献した実績があります。